About us設立趣旨・概要

設立趣旨

19世紀末から20世紀初頭は、1897年のトムソンによる電子の発見、1905年のアインシュタインによる特殊相対性理論の発表、1924年のボルンによる量子力学の発表とまさに近代科学のビッグバーンとも言える時代であった。1950年前後に至り、これらの基礎科学の大きな発明発見が円熟しまさに開花するがごとく、1947年ブラッテンとバーデイーンによるトランジスタ作用の発見、タウンズ、シャウロウによるレーザーの発明など、応用科学の大発見と発明が相次ぎ、超高密度集積回路への発展があり、それに付随してナノテクノロジーの概念が生まれた。このナノテクノロジーの概念はフラーレンやカーボンナノチューブの発見を契機として、ボトムアップのナノテクノロジーの概念へと発展した。
ナノテクノロジーの出現は、生命科学を基盤とする従来の医学や医療に大きな変化をもたらしつつある。蛍光プローブを利用した一分子操作や分子イメージング、量子ドットやベシクルやクラスターを利用した、ドラッグデリバリー、基板表面のナノ加工による新規バイオチップやバイオセンサーの創成、ナノレベルの空間分解能のスペクトロスコピーによる診断・治療、など物質科学を基盤とした医学や医療、即ちナノメディシンの概念が出現した。
ナノメディシンと言う言葉は、しかし、2003年4月のヒトゲノムの解読完了をもって、NIH が発表した人類の健康に関するロードマップの発表の中で用いられた言葉であることを認識することは重要である。ワトソン、クリックの二重螺旋の発見を契機として、生物物理学など生命を物質科学の観点から研究する学際領域が生まれ、多くの人々の努力により生命科学と物質科学の無明の谷間は日に日に科学の光に照らされることとなった。この変化のスピードはゲノムの解読により一層急速なものとなり、その影響はほぼ全科学技術の領域に及んでいる。
すなわち、ナノメディシンはゲノムの解読完了により、生命の構造、機能の全て、従って医療も分子を基盤として解決できると言う原理が示されたところに、偶然、その原理を実行する手段としてナノテクノロジーが同時期に出現した奇跡によって生まれた概念と言える。
このように歴史の流れを俯瞰すると、ナノテクノロジーとDNAの共通の基盤として分子の科学にたどり着く。遺伝子やタンパク質はもちろんの事、ナノ構造やナノ粒子の物性や機能の設計・解析は分子科学の一領域で、分子レベルの科学のナノメディシンへの寄与は明瞭であるが、さらに、神経変性疾患、循環器病、ガンなどの現在難病と呼ばれる色々な疾患を調べると、むしろ分子レベルの科学の積極的貢献が望まれていると考えるべきである。
このように、関連する学術分野が物質科学、生命科学、薬学、医学、これらの関連工学とさらには診断医療というように、ナノメディシンがこれまでに例のない、広範囲の学際性を有し、これまで学術的交流が全くなかった領域すら混じり合うという状況で、その学術の飛躍的発展と大いなる社会的貢献を達成するため、共通の討論の場を持ち、意見交換や共同研究の出会いの場を持つことは極めて重要な問題である。
物質科学が人の生命に関わる医学、医療の領域を取り扱うことについて、必然的に重要となる二つの問題がある。一つは,これまでにない全く新しい試みであることにより,この研究を本当に効率的に進める上で,基礎研究が極めて重要となることである。メカニズムをきちんと明らかにすることにより、複雑多岐な問題を系統的に扱うこと、あるいは予測的に研究を進めることが可能となる。特に安全性は極めて重要な問題で、原理に基づくことは強く望まれることである。また、もう一つの問題は、結果として得られる成果の配分の問題である。
ナノメディシンの研究によりこれまで解決できなかった難病の治療法が開発される可能性が大きいが,其の恩恵に預かれる人々が一部の裕福な人々にかぎられてしまうことは、ナノテクノロジーが人類の知的資産であることを考えると矛盾することである。このような不公平が地球規模で起こっていることを考えるとナノメディシン研究が国際的連携によってなされることは極めて重要なことと言える。世界のナノメディシンに携わる基礎から応用にいたる研究者、医療者が交流し学術と医療技術の発展および、アジア地域の若手研究者の育成に貢献することをめざす。

2020年6月追記
ナノメディシンという言葉が誕生して17年近くが経過したが、近年頻繁に人類を襲うパンデミックやその悲惨さが顕著になりつつある多くの難病の存在は、この20年間の基礎科学の成果、iPS細胞技術、ゲノム編集などを実用化する必要を強く示唆しており、ナノメディシンを、より密接な国際連携の下、一層深く強力に推し進める必要がある。

概要
名称

日本ナノメディシン交流協会(Japan nanomedicine Society: JNS)

会長

宇理須 恒雄

事業内容

1. ナノメディシン国際会議の開催
2. 会報の発行
3. 内外の関係学術団体との連絡および連携
4. 優秀な業績に対する表彰
5. その他本会の目的達成に必要な事業

会員数

150名

事務局

日本ナノメディシン交流協会事務局

〒444-0005 愛知県岡崎市岡町西神馬崎南側1-25
株式会社NANORUS 内
Tel:0564-58-7525
Mobile:090-5606-3704
Email:urisu@nanorus.jp または ksanso@r2.dion.ne.jp

事務局長:木下弓子

沿革
2001年4月
ナノ反応場とバイオエレクトロニクス制御研究会
2005年3月
1st Molecular-Based Information Transmission and Reception-MB-ITR2005, Okazaki
2006年2月
第1回ナノメディシン討論会, 岡崎
2006年4月
第1回運営委員会、東京大学山上会館(創立)
2007年4月
1st International Symposium on Nanomedicine
-from Basic to Applications- (ISNM2007),
2nd Molecular-Based Information Transmission and Reception, Okazaki
2008年3月
第2回運営委員会、京都大学 東京連絡事務所(サピアタワー)
2009年2月
2nd International Symposium on Nanomedicine
Asian Core Symposium -Nano and Biomedical Molecular Science-, Okazaki
2009年11月
3rd International Symposium on Nanomedicine
-Molecular Imaging for System Biology-, Okazaki
2010年11月
4th International Symposium on Nanomedicine
(ISNM2010) , Okazaki
2012年3月
5th International Symposium on Nanomedicine (ISNM2011) , Nagoya
2012年11月
6th International Symposium on Nanomedicine
(ISNM2012) , Matsue
2013年11月
7th International Symposium on Nanomedicine
(ISNM2013) , Kitakyushu
2014年12月
8th International Symposium on Nanomedicine
(ISNM2014) , Matsuyama
2015年12月
9th International Symposium on Nanomedicine
(ISNM2015) , Tsu
2016年11月
10th International Symposium on Nanomedicine, (ISNM2016) , Tsukuba
2017年12月
11th International Symposium on Nanomedicine, (ISNM2017) , Sendai
2018年12月
12th International Symposium on Nanomedicine, (ISNM2018) , Ube
2019年12月
13th International Symposium on Nanomedicine, (ISNM2019) ,Kobe
2020年
Covid-19により1年延期
2021年12月
14th International Symposium on Nanomedicine, (ISNM2021),Tokushima
2022年
15th International Symposium on Nanomedicine, (ISNM2022), scheduled at Osaka